青穂塾からのお知らせ
小学2年生の九九学習から高学年の「単位あたり量」「割合」さらに湿度、濃度など中学レベルの物理計算まで公式暗記なしで学習できる教材を開発しています(特許出願済)
詳しくはhttps://www.seisuijuku.com
およびhttps://mbp-japan.com/nara/seisuijuku/内のコラムをご覧ください。
デジタル教材はhttps://filmuy.com/sadaemon をご覧ください。
(1の段のみ、無料公開しています。)
特許庁より再び特許をいただきました。
新しい九九教材「九九学習用デジタル教材」はすでに特許を取得しています(特許7403204)。さらに保護をより強固にするため追加で特許出願しておりましたが、このほどこの件についても特許をいただきました。(特許7488951)
第2ステップは動画では表現できないためご利用いただけませんでしたが、皆様にご利用いただけるようになりました。
詳しくは、https://mbp-japan.com/nara/seisuijuku/ をご覧ください。
(「青穂塾のちょっとお役立ち情報」のバックナンバーもこちらにあります。)
デジタル教材はhttps://filmuy.com/sadaemon をご覧ください。
(1の段のみ、無料公開しています。)
~青穂塾のちょっとお役立ち情報~
■14.奈良市東部中山間地で米作りを始めて11年の人間が考えること
2025年秋頃からの報道を見ていまして、無責任な報道に接することが多くなりましたので、ここで述べさせていただきます。
ネットで散見される意見を見る限り、そのほとんどが経済面の視点からだけで見たものです。視野の狭い、無責任な意見を多く見ます。
米作りは、日本の国土保全にも役立っています。
私は約20年間大阪府枚方市楠葉地区で学習塾をしていました。そこには利根川という小川があります。関東平野を流れる有名な大河と同じ名前ですが、コンクリートで固められた排水溝と呼ぶのがふさわしい小川です。2012年8月14日、この日集中豪雨があり利根川が氾濫しました。その日、利根川に接するビル3階にあった教室で仕事をしていました。授業中でしたが下が騒がしいので様子を見に降りてみると、1階にあるイタリアンレストランが浸水していました。生徒が来るときは問題なかったのですが、急に水位が上昇したようです。やがて水位が下がり、生徒は自力で帰宅しました。その後教室の窓から川の様子を観察するようになりました。夕立などがあると急激に水位が川岸ギリギリまで上昇し、やむと水位が下がります。その繰り返しです。
楠葉地区で教室を始めた頃はこんな様子ではありませんでした。
なぜか?
以前は利根川上流に水田が多くありました。ところが京阪沿線有数の高級住宅街である楠葉地区では住宅建設が続き、利根川上流の水田はすべて住宅地に変わってしまいました。これが原因です。
水田には水をためます。木津川水系では品種にもよりますが、5月初旬から9月終わり頃まで水田に水がたまっています。この頃は梅雨、夕立、秋雨、台風と大雨がよく降る時期です。でも大雨が降っても水田に水がたまり、下流には降水量の一部しか流れません。つまり水田はダムの役割をしているのです。楠葉地区の利根川は水田のダムを失ったために、少しの大雨でも降水のほとんどが川にそのまま流れ込み、氾濫するようになってしまいました。そのため現在は利根川近くの大通りの地下に、貯留量20000立方メートルの雨水貯留管が埋設されています。
(大阪府枚方市上下水道局のパンフレット
https://www.city.hirakata.osaka.jp/suidou/cmsfiles/contents/0000021/21957/kuzuhahaisuiku-gaiyou.pdf
)
このような雨水貯留施設は日本の都市部で多く建設されています。
私が米作りをしている奈良市東部中山間部で水田耕作を全てやめたら、少しの大雨でも下流の京都府相楽郡笠置町は急峻な地形が多いため、崖崩れ、洪水などで壊滅するでしょう。
(1986年笠置町は豪雨のため大災害になりました。
https://www.pref.kyoto.jp/yamashiro/no-nourin/saigai02.html
この時、ほんの数㎞上流の奈良県内は被害が軽微でした。)
淀川水系すべての水田耕作をやめたら、大阪市は壊滅するでしょう。
(水田の機能についての分かりやすい参考資料
https://www.kubota.co.jp/kubotatanbo/role/management.html)
さあ水田耕作者の皆さん、都市住民に脅迫状を送りましょうか。百姓一揆を起こしましょうか。(もちろん冗談ですが。)
なぜ上記の文章を書いたのか、理由があります。こんなことを冗談でも書くのは、私が都市住民として育っているからです。田舎で生まれましたが、幼稚園に入る前に町へ引っ越しています。その五十数年後田舎で米作りを始めました。本当の田舎の水田耕作者は皆さん謙虚です。私から見て、あきれかえるほど謙虚です。彼らはこんな発言は絶対しません。心で思っていても絶対しません。
私が米作りをしている地域は、奈良市東部中山間部でも特に水田環境が劣悪です。そこで奈良県や奈良市に要望書を出そうと持ちかけたことがあるのですが、皆さん尻込みしました。「こんな所どうしようもない。」「なんぼ言っても、聞いてもらえへん」諦めています。
それもそうです。水田耕作者はほとんど70代から80代。子供たちは都市部に出ています。北海道、東北、関東・・・こういう地域に出た子供たちは、年に一度帰るかどうかという状態。京阪神の都市部に住む子供たちは、片道2時間くらいなので年に数度帰郷しているようです。片道1時間程度の都市部に住む子供たちは田植えや稲刈りなど農繁期には日帰りでも手伝いに来ているようです。でも田舎には住みません。もう少しで村落は崩壊するでしょう。米価が上がったと騒いでいますが、この程度では子供たちは帰ってきません。
雨水貯留管の建設費を水田保護にまわせば、洪水は起こりません。災害復旧費を水田保護にまわせば、災害は防げます。
このままでは奈良市東部中山間部の集落は崩壊します。水田も耕作放棄されるでしょう。あきれかえるほど謙虚な田舎の水田耕作者たちは文句を言いません。それをいいことに国や地方自治体は彼らのために本気で対策をしません。しかし彼らはチャンスがあると自己主張します。例えば選挙では自分たちの神経を逆なでするような候補者に一票を入れません。
このままいくと、下流の都市部が災害に見舞われます。人ごとではありません。
この程度の米価上昇では、大規模化もできない中山間部の水田はまもなく耕作放棄されます。
そして下流の都市は災害に悩まされることになるでしょう。
それだけではありません。
村落の伝統も自然も失われてしまいます。
国や地方自治体は付け焼き刃の政策ではなくて、米作りに対して根本的な改革をしないと、日本は災害列島になると私は思います。








